1フリのペース配分がわからない・・・
そういった声が大会に参加すると、あちらこちらでよく聞きます。私自身、ペース配分が分からずに失敗した経験がありました。
九州大会や全国大会に自由形のスプリンターとして出場してきた自分が解説します。
1フリのペース配分ってどうすればいいの?
1フリのペース配分は大きく分けて前半型と後半型がありますよ
前半型は、単純に最初から本気で泳ぎだし、後半力尽きてもなんとか踏ん張るというシンプルな配分です。100mという短いと思われる距離ではありますが、初めから全力で泳ぐので、体力に自信がないといいタイムにはつながりません。
一方で後半型は、前半の50mでは力の80%ぐらいに抑えて、後半の50mであげる配分です。こちらは、前半型ほど体力は使いませんが、後半になるにつれて速度を上げていく力が必要となってきます。
1フリのペース配分の具体的な決め方とは?
1フリのペース配分:前半型の場合
まずは前半型のスイマーの場合のペース配分を紹介します。
①:半フリの自己ベストから考える
基本的に、50mのタイムが早いことが前半型としてペース配分を考えることの前提となってきます。僕が考える目安としては、半フリのベストタイムが26秒を切っているのであれば前半型にするべきだと思います。
前半から体力を温存していても後半に力を出し切れないことが多々あるので、僕は前半型をお勧めします。
さらに前半型にはメリットがいくつかあります。
まず、いち早く他泳者の前に出ることで、波がない場所で泳ぐことができることが挙げられます。前半力を温存して他泳者に差をつけられ、波がある所から頑張って追いつき追い越すことはコスパが悪いです。そして他泳者より前に出られるという精神面的な利点もあります。
②:前半と後半のタイム差の理想は?
理想としては、前半50mのタイムが半フリのベストプラス1秒、後半50mのタイムは前半からさらにプラス2秒となります。
僕は、体力があまりない典型的なスプリンターなので、この前半型を使っています。飛び込みと前半25mで他泳者に差をつけ、残りは踏ん張って差を縮められないようなペース配分を行っています。
この理想のタイム差は日本代表選手にも当てはまります!!
実際パンパシフィック選手権2018では、中村克選手のタイムは前半23.39、後半25.17、塩浦慎理選手のタイムは前半23.11、後半25.57となっていました。2019年度の長水路50m自由形のランキングを確認すると、二人のベストタイムはそれぞれ22.21秒、22.30秒となっています。
1フリのペース配分:後半型の場合
①:半フリの自己ベストから考える
後半型は、半フリのベストタイムがまだ26秒を切れていないのであれば採用するべきだと思います。この理由としては、他泳者との前半50mの差はたいしてつかないという考え方から言えます。頑張って前半で0.5秒いつもより速く泳いだとしても、確実に後半に影響が出てきます。それならば差が顕著にでてくる後半で速く泳ぐ方が効率が良いと言えます。
ただ、もっと速く高みを目指す場合は、前述の波の影響なども踏まえると、一般的に前半型の方が有利になります。
②:前半と後半のタイム差の理想は?
こちらは前半がベストプラス2秒、後半はその前半のタイムプラス1秒以下となります。
しかしながら、先程述べた前半型の理想タイム差と比較すると、
同じベストタイムの人で考えるのであれば、前半と後半のタイム差が0秒とならないと最終的なタイムが同じになりません。正直、この前半後半で同じタイムで泳ぐことは辛いという理由もあり僕は前半型をおすすめします。
1フリに関するQ&A
Q:1フリの呼吸の回数・タイミングってどうしたらいいの?
僕は、前半の50mでは40mぐらいで1回、後半で2~3回呼吸しています。ターンの前後、ゴールタッチの直前はできるだけ呼吸をしないように意識しています。特にターン後すぐに呼吸をしてしまうと、せっかく壁を蹴って速度がでているのに、ブレーキがかかり確実に速度が落ちてしまいます。
Q:1フリの前半と後半のタイム差ってどれくらいがベストなの?
(前半型) 「2秒です!」
先程述べたように、2018年度のパンパシフィックでの中村克選手や塩浦慎理選手もタイム差は2秒でした。
(後半型) 「1秒です!」
ただ、どちらも前半そのままのタイムでタイム差を縮められるならそれに越したことはありません
まとめ:自分の持ち味を活かして1フリで自己ベストを目指そう!
まとめると、一般的には
- 半フリ26秒きっているなら、前半型! 前半ベスト+1、後半ベスト+3
- まだきってないなら、後半型! 前半ベスト+2、後半ベスト+3以下
です。
実際には、泳げば泳ぐほど速くなっていく人がいたり、全くタイムが落ちない人もいるので自分にそったペース配分を見つけるのが一番良いと思います。
挙げた基準を参考に、自分だけのペース配分を見つけてください!!
どうしても速くなりたい。
絶対に全国大会に出場したい。
綺麗に泳げるようになりたい。
そんな思いを持っている方はぜひこの記事を読んでみてください。
きっと、今までとは比べ物にならないくらい水泳が楽しくなっていますよ!